人事部 業務一覧。 人事の仕事内容

経理部/人事総務部

人事部 業務一覧

今回の文章では人事部の業務内容について説明していきます。 今回の文章を読むことによって、 日本企業の人事部が伝統的に担ってきた主な業務内容と、 人事関連の業務を行うにあたって遵守すべき労働関連の法令について学ぶことができます。 日本企業の人事部が担ってきた業務 それではまず、日本企業の人事部が担ってきた業務内容について見ていきましょう。 人事部の主な業務内容は、次の2つに分類することができます。 1 人事施策の企画立案〜実施 ・採用活動(特に新卒採用)の企画立案〜実施 ・昇格、昇給や人事異動の提案 ・社員研修の企画立案〜実施 ・人事考課に関する情報のとりまとめ ・従業員に対するキャリア・カウンセリング ・人員整理 等 2 職場環境の維持 ・労務管理、就業管理 ・労働組合との調整 ・給与や福利厚生に関する事務 ・社員の健康維持支援 等 欧米の企業に比べて日本企業では人事部の機能が強いと言われています。 日本企業の人事部は、労務管理や給与・福利厚生等の事務といった職場環境の維持業務に加えて、社内人材のデータベース(入社年次、出身校、履歴、考課等)としての機能を持っており、昇格・昇給・異動といった社員の処遇について積極的に提案するという点に大きな特徴がありました。 また、社員の採用活動や研修についても人事部で一括して実施することも大きな特徴です。 一方の欧米企業では、社員の採用や人事考課、昇進・昇格等は各業務担当部門に任されており、人事部は社内の制度設計や従業員へのインフラ提供を主な業務内容としています。 人事部の業務内容の変化 上記のような業務を行っている人事部ですが、近年ではどのような変化が発生しているでしょうか。 人事部の業務内容の変化について見ていきましょう。 近年では、「 よい人材が企業の力の源泉」との認識が広まり、人事部に対してもより中長期的な組織力向上への寄与が期待されています。 企業によっては、「人材」を重要視していることを対外的にアピールするために、「 人財」という表現を行っているところもあります。 このような変化に伴って、業務内容も「人事施策の企画立案〜実行」の方に比重が置かれるようになってきています。 しかも、トップマネジメントの指示を受けてから対応を開始するのではなく、経営戦略に従って能動的に提案や行動を求められているのです。 このような流れの中、社員採用については画一的に実施される新卒採用にくらべて、よりピンポイントで欲しい人材を採用できる 中途採用の比重が高まってきています。 社員に対する研修については、かつては対象者全員に対して一律に実施されていた「昇格者研修」は減少し、より戦略的に人材育成を行うために対象者を絞り込んで実施する「 選抜型研修」が増えてきています。 そして人事異動の面については、かつては総合職社員を必ずしも明確な意図がなくても様々な部署へ異動させるジョブ・ローテーションが行われていましたが、近年ではさらなる経営力強化を意識した人材配置を提案することが人事部には期待されるようになっています。 また、企業の経営理念や企業文化の浸透についても、以前に比べて積極的に取り組む人事部が増えてきています。 社史の編纂や社内報の発行等を通じて、これまで暗黙的に社員間で引き継がれてきた事項を明示化し、その伝達のためのコミュニケーション・ツールの提供を行っているのです。 以上のように近年では 戦略的な人事施策の立案や実行が業務の中でも特に重要視されていますが、その一方で、社内インフラとして 従業員が安心して働ける職場を提供することも人事部にとっての重要な業務の一部です。 そのような観点から近年の動向をいくつか取り上げていきます。 労使関連業務(労働組合関連業務) この労使関連業務(労働組合関連業務)とは、賃金や労働時間をはじめとする労働条件に関する社員への状況確認や労働組合との交渉に関する業務のことです。 かつて、この労使関連の業務は人事部や総務部の重要な業務でしたが、近年では労働組合の活動の低下や労働組合への加入率の低迷をうけて、重要度は低下してきています。 労働組合の活動が低下した背景としては、日本経済が成長し、成熟化していくのに伴って労働組合を構成する社員の生活水準が向上し、労働組合での活動の意義が薄れてしまったことや、労働運動の精神的な背景にある特定のイデオロギーが衰退傾向にあることが挙げられます。 しかし、労働組合には経営者の行き過ぎた行動を抑制するガバナンス機能としての役割も担っており、企業組織と労働組合との健全な関係づくりは今後新しい段階へ進むことが予想されます。 労務管理・就業管理 この労務管理や就業管理については、労働時間に関する取り決めを行ったり、在宅勤務制度の導入を検討することが含まれます。 なお、労働基準法の規定では企業と社員の間で雇用契約を結び、その中に雇用条件が含まれるのですが、日本では、雇用契約書を作成することはあまり多くはなく、統一の就業規則によって就業条件を定めることが一般的となっています。 この就業管理に関して特に問題になるのが、時間外労働に関する問題です。 日本において時間外労働が認められる場合とは、労働基準法第33条第1項に定められた「災害その他避けることができない事由によって、臨時の必要がある場合において、使用者が行政官庁の許可を受けた場合」以外では、 36協定が結ばれた場合のみです。 36(さぶろく)協定とは、労働基準法第36条に基づいて使用者と労働者の過半数以上で構成する労働組合の代表者又は労働組合が存在しない場合は過半数以上の労働者の代表者との間で、時間外労働や休日労働について協定を書面にて締結し、所轄労働基準監督署に届出を行ったものです。 36協定を結んでいない場合、法定労働時間を超えて社員を労働させることは労働基準法違反となりますが、中小企業では必ずしも遵守されていないこともあり、より一層の状況改善が望まれています。 労働基準法第41条では、業務の管理・監督の立場にある者については労働時間等に関する事項の適用対象外とされていますが、だからと言って管理職を無制限に働かせたり長時間労働を放置してはいけません。 近年では、ファーストフード店や居酒屋を運営する企業において、社員である店長が長時間のサービス残業を強いられた上に自殺するという事例が発生し、社会的にも大きな問題となっています。 そのような企業は「 ブラック企業」とのレッテルを張られ、社会的にも批判が高まっています。 人事部にとっては、管理職も含めて社員の勤務実態を正確に把握し、経営陣に対して改善提案を行い、現場の生産性を高めていくことも重要な役割の1つなのです。 社員の健康管理 ここでの健康管理には、肉体的な健康管理と精神的な健康管理の2つがあります。 時間外労働に関する取り決めも元々は社員の病気やけがを避けることが理由の1つでした。 また、業務上の事由や通勤途上での疾病や負傷等の事故は 労働災害(労災)と呼ばれ、その発生状況によっては、管理者に業務上過失致傷罪等が科せられることもあります。 人事部門は、各部門と協調しながら職場環境の改善や労災防止のための啓蒙活動に努めることが必要です。 また、近年では精神的な健康(メンタル・ヘルス)の問題がクローズアップされるようになってきています。 経営環境の厳しさから経営にスピードが求められ、現場の社員に対するストレスが強まっていることがその背景にあります。 長時間のサービス残業を強いられたり、上司からパワハラ的な言動を受けた結果、精神的に追い詰められてしまい、うつ病を発症して退職せざるを得なくなったという事例も増加しています。 多くの企業では、人事部が中心となってメンタル・ヘルスに関する管理職研修を開いたり、社員を対象に調査を行ったりして、メンタル・ヘルスの維持に努めています。 また、一定の規模以上の事業所に設置が義務付けられている産業医を活用したり、専門のカウンセラーを職場に配置したりする企業も増えています。 福利厚生 福利厚生については、のところでも触れた通り、欧米の企業と比較して日本企業では住宅関連の費用が多く含まれています。 この住宅関連費用の中身としては、社宅や独身寮の運営費等が含まれています。 また、アメリカの企業と比べると医療費関連の費用が少なくなっており、これは、日本が国民皆保険性を採用していることが関連しています。 また、日本企業では有給休暇や育児休暇の取得率が低い点も特徴として挙げられます。 前述の社員の健康管理に関する問題とも関連して、今後より一層の改善が望まれる分野ということができるでしょう。 労働・人事関連の法律 最後に、人事部として最低限押さえておくべき労働関連の法規について取り上げます。 より詳しく理解を深めたい方は下記に挙げた法律を学習してみるとよいでしょう。 人事部担当者としては、労働・人事関連の法律の動向を把握し、必要に応じて経営陣に対して適切な助言を行うことも重要な役割の一つです。 労働・人事関連の法律のうち、特に「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」は 労働三法とも呼ばれ、かつては、これらを理解しておくことが人事担当者として必須の条件とも言われていました。 1) 雇用条件に関するもの ・労働基準法:労働時間や労働契約等、労働全般に関する基準となる法律 ・最低賃金法:地域別の最低賃金に関する法律 ・労働安全法:労働者の安全と健康維持に関する法律 ・男女雇用機会均等法:労働上の男女間(特に女性に対する)の差別をなくすための法律 ・育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律:育児休業や介護休業に関する法律 ・短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律:パートタイム労働に関する法律 ・高年齢者雇用安定法:高齢者の雇用に関する法律 2) 労使関係に関するもの ・労働組合法:労働組合に関する法律 ・労働関係調整法:ストライキやロックアウトに際しての労働委員会による裁定に関する法律 3) 労働市場に関するもの ・職業安定法:職業紹介事業等に関する法律 ・職業能力開発促進法:職業訓練や職業能力検定に関する法律 以上のように、人事システムの設計や運用以外に人事部門に求められる業務内容について説明してきました。 人事部門の担当者には、企業の経営戦略を実現するための仕組みを作り、人を動かしていくこと以外にも、 組織メンバーがその能力を発揮しやすい職場環境作りも求められています。 特に近年では、メンタル・ヘルスに関する問題が大きく取り上げられるようになってきています。 メンタル・ヘルスの管理については、その分野に関する公的資格も出てきており、これらの資格の勉強に取り組むことも、人事担当者の能力向上に役立つことが考えられ、有効活用していくことが望ましいと言えるでしょう。

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人事の仕事内容

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採用職種と募集人数がある程度決まったら、募集活動に入ります。 新卒の募集は、大学向けの求人PR、インターネットでの採用情報提供、就職情報誌などへの掲載などで展開します。 ただし、就職協定の廃止で新卒採用の活動は年々早まっているため、自社が後れを取らないように他社の動向を把握し、早めに採用計画を立て、入社案内など募集・採用に関する資料は余裕を持って用意しておいた方がよいでしょう。 また、最近増えている通年採用は、現在の景気やビジネス環境に合わせて人員の調節ができ、事業拡大やグローバル化などの戦略に合わせて必要な人材を確保できるというメリットがありますが、契約社員として採用するというケースが多いため、のちのちトラブルに発展しないよう、契約の際には細かい部分まで明確に取り決めておくことが必要です。 人事・労務管理「社員教育」 例えばOff・JTは、階層別(中堅社員、幹部社員、役員、等)、職種別(総務、経理、営業、販売、等)、テーマ別(OA、問題解決、創造性開発、等)に研修テーマを設け、集合研修や合宿研修、外部機関を利用するなどして全社的に行います。 この全社的な人材育成計画を基に体系的・継続的に教育を実施しますが、職場でしか得られない知識や技術を得るにはOJTが欠かせません。 つまり、社員の能力や知識、技術の向上のためにOJTとOff・JTを連動させることが重要で、そこからさらに社員の自己啓発へとつなげていくことが理想的な流れといえます。 教育研修の目的を明確にしたうえで、教育プログラム、対象者および教育方法や講師を決定し、終了後にはフォローアップ研修を実施しましょう。 また、受講者のアンケートは今後の人材育成計画を立てるうえで最も参考にすべき意見です。 反省点を改善しつつ、より自社に合った教育方法を確立するためにもアンケートは取るようにしましょう。 人事・労務管理「労働時間の管理」 労働者の労働時間を適正に把握し、適切に管理するために、総務部は自社で働く社員の勤務時間や働き方を管理しなくてはなりません。 労働基準法第32条で定められている労働時間は、休憩時間を除き1週間に40時間、1日8時間が原則です。 近年は、産業構造の変化によりビジネススタイルも多様化し、変形労働時間制が導入されています。 変形労働時間制 1カ月単位の 変形労働時間制 1年単位の 変形労働時間制 1週間単位の 非定型的変形労働時間制 フレックスタイム制 対象期間 1カ月以内の 一定期間 1カ月を超えて1年以内 1週間 清算期間は1カ月以内 規定 労使協定または就業規則その他これに準ずるもの 労使協定 労使協定 労使協定 労使協定の 有効期間 定める 定める 定める 定める 届け出 必要 必要 必要 必要 事業者側の メリット 特定された週に、法定労働時間を超えて労働させることができる。 特定された週に、法定労働時間を超えて労働させることができる。 繁閑の差が出ることが多く、各日の労働時間の特定が困難な事業所は、事前の労働日、労働時間の特定を免除される。 就業規則その他準ずるものにより、その労働者に関わる始業時刻および終業時刻を、その労働者の決定に委ねることとした労働者には、法定労働時間を超えて労働させることができる。 休日 原則週1日以上、例外4週4日以上。 ポイントは休日数ではなく、労働時間が1週40時間で収まっているかどうかにある。 例えば、週2日であっても、6日勤務の週の労働時間が40時間を超えていたら違法となる。 なお、休日を特定できない事業の場合、就業規則には年間休日数の記載のみで構わない。 変形労働時間制には、1カ月単位の制度、1年単位の制度があり、ほかにフレックスタイム制、裁量労働制などがあります。 1カ月単位の場合は、労使協定または就業規則などに一定事項(始業・終業時刻や休憩時間、休日等)について定めることが必要です。 1年単位の場合は、労使協定で対象期間や1日の労働時間、1週間の労働時間、休日の扱いなどの事項を定め、労働基準局に届け出なければなりません。 また、フレックスタイム制は出退勤の時刻を社員に委ねる制度で、就業規則などにフレックスタイム制の対象となる労働者の範囲や清算期間、1日の標準労働時間等を定めます。 労使協定を締結する必要はありますが、届け出は不要です。 裁量労働制は、仕事の進め方や時間配分を労働者の裁量に委ね、労使協定によってみなし労働時間を定めます。 例えば、みなし労働時間を8時間とした場合、その日に10時間働いた、逆に5時間しか働かなかったとしても、8時間働いたものとみなして労働時間を計算する制度です。 社員を時間外、休日に労働させるときには、労働者の過半数で組織する労働組合、または過半数を代表する人と書面で協定を結び、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。 これを「36協定」(正式名称「時間外労働・休日労働に関する協定書」)と呼びます。 「社員教育」の方法を学びたい方に 大塚商会のヒューマンスキル講座で社員の指導方法を学ぶことができます• 企業は人で成り立っています。 人が元気で働くためには、休暇制度の充実や、適材適所の人材配置が欠かせません。 人事・労務管理の基本である休暇制度と人事異動について見ていきましょう。 [2018年 2月22日公開]• 社員が居てこそ成り立つ企業にとって、人材獲得上の競争力、流出防止力ともなる福利厚生は不可欠です。 ここでは、総務部に求められる福利厚生について見ていきましょう。 [2018年 2月22日公開]• 福利厚生業務は「社員を守る」ための重要な施策となります。 特に心身の健康管理は日常的なきめ細かなケアが求められます。 ここでは日常的な社員の健康管理施策について見ていきましょう。 [2018年 2月22日公開]• 社内はもとより、社外の企業を支える方々とのお付き合いにおいて「冠婚葬祭」は総務部の重要な業務です。 より良い関係を築くために必要な冠婚葬祭業務について見ていきましょう。 [2018年 2月22日公開]• 総務部門の重要な業務の一つ、社葬について見ていきます。 いざというときのために平常時の備えが大切です。 まずは、社葬取扱規定についてご紹介します。 [2018年 2月22日公開].

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人事労務の仕事は「 採用」「 教育」「 異動」「 人事考課」「 規則規程」「 人事制度の管理・見直し」「 給与」「 保険」「 退職」などがあります。 これらの仕事の中から、はじめに人事の業務について個別に説明をします。 採用 採用は、学生を定期採用する新卒採用と、社会人を不定期採用する中途採用に分けられます。 新卒採用は将来性が期待されており、社会人としてのマナーを学び専門的な知識を身につけることができます。 一方中途採用は社会人としての実績と能力が求められ、即戦力が期待されます。 新卒採用と中途採用では採用する基準も異なり、新卒が学生時代の評価や人柄などが判断基準になりますが、中途の場合は今までの仕事の実績や職務遂行能力などが採用の判断基準になります。 以前は新卒が中心の企業が主流でしたが、最近は中途採用による即戦力を求める企業が多くなっている傾向が見られます。 異動 企業でおこなわれる異動は人事異動と呼ばれるもので、企業の命令で配置転換や地位の変更などが実施されます。 具体的には配置転換では担当の業務や勤務地の変更などがあり、地位の変更では昇進や昇降格、役職の任用や解任などの社内人事異動があります。 また、出向や転籍などの社外の人事異動もあります。 人事異動は組織の効率的な運用をはかるために日本の雇用慣行として実施されてきましたが、勤務期間が短いために職務の専門性が希薄になることや、勤務地変更の転居による不利益が生じることなどデメリットも指摘されており、今後の人事異動の実施は課題が多い状況です。 人事考課 人事考課は、従業員を業績考課や能力考課、情意考課などにより判定するものです。 企業により判定の時期や方法が異なりますが、通常は給与を改定する時期や賞与を決定する時期におこなわれます。 給与や賞与に直接関連することですので、すべての従業員に対して公平に評価をしなければなりません。 しかし、考課者の私情が反映される傾向がありますので、人事には不公平な効果にならないように工夫をすることが求められます。 考課する上司に考課者訓練をおこなって陥りがちな考課を予防することや、考課者を複数にして1次、2次、3次の考課をおこない、極端な考課についてはヒアリングを実施することも必要になります。 退職 社員の退職の業務は人事の仕事になります。 まず社会保険や税金などの手続をします。 退職手続の流れは、「 退職願」や「 退職届」が退職者から会社に提出されます。 この際、労働者が意思表示をすれば退職の効力が生じるとされ、口頭でも可能とされます。 次に会社から退職者への雇用保険の被保険者離職証明書には本人の記名押印や署名が必要なので、離職理由などの確認をします。 また、健康保険の任意継続希望の確認も必要になります。 税務については、時期による徴収方法が異なる住民税の徴収方法の確認が必要です。 会社からの貸与品である社員証や事務用品、名刺や制服などを退職者から回収します。 年金手帳を会社が預かっていれば返却します。 退職者の請求で退職証明書を交付します。 雇用保険被保険者証を会社が保管していれば渡します。 そして健康保険被保険者証を退職者から回収します。 退職者から健康保険をやめた証明書の請求があれば発行します。 退職金・各書類の届け出 退職金がある場合には、退職金の支払いまで退職所得の受給に関する申告書を退職者から会社に提出する必要があります。 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を、退職日の翌日から5日以内に会社から所轄の年金事務所か健康保険組合に提出する必要があります。 雇用保険被保険者離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届を、退職日の翌日から10日以内に会社から所轄のハローワークに提出することが必要です。 2部の退職表が、退職後に所轄のハローワークから会社を経由して退職者に送付されます。 給与支払い報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届を、退職月の翌月の10日までに会社が市町村税務課に提出することが必要です。 給与・貸与の源泉徴収票と退職金の源泉徴収票を、退職日から1ヵ月以内に会社から退職者に交付することが必要です。 労務の仕事内容の詳細 人事と労務についての明確な定義はなく、会社によってそれぞれの線引は異なることがありますが、一般的に人事は比較的従業員の一人一人に重きをおいた業務が多いのに対して、 労務の仕事は会社全体を対象にした業務をおこなう傾向があります。 具体的には、人事は採用や異動、教育や評価など従業員個人を対象にする業務が中心になりますが、労務は 給与計算や勤怠管理、社会保険の手続や健康診断、福利厚生など、会社全体を対象にする業務の内容になります。 給与計算 給与計算や社会保険手続は労務の仕事になります。 給与は所得税法に定められている俸給や給料などの給与所得になりますが、給与には残業代や手当、賞与なども含まれて会社から受け取る報酬はすべて給与と考えられます。 給与は原則的には現金で支払われますが、労働協定などにより現物支給が認められる場合もあります。 現物支給には金額換算した所得税がかかります。 最近は給与計算を社会保険労務士事務所などにアウトソーシングする会社も増えていますが、その場合は給与計算を管轄する労務の部署がアウトソーシング先とのコミュニケーションをしっかり取ることが必要になります。 勤怠管理 勤怠管理の業務は、従業員の遅刻や早退、欠勤などの勤務状況を管理します。 勤怠の情報は給与計算や有給休暇の管理と連動していて、人事評価にも反映されます。 そのため、 正確に管理されることが重要であり、運用の方法をより適切に整備することも必要です。 勤怠の管理方法は、タイムカードやICカード、今では勤怠管理システムを使用した記録により管理します。 労働時間や休日は労働基準法で定められておりますが、労使が36協定を結ぶことで労働基準法を超える残業や休日労働をさせることが可能になります。 時間外労働や休日出勤をさせる場合は、事前に36協定を締結しておくことが必要です。 社会保険手続 労務の社会保険の仕事は、 従業員が入社した時や退社した時の資格取得や資格喪失の手続があります。 また、労働保険の年度ごとの保険料の算出と納付があります。 従業員を採用する際に健康保険や厚生年金保険などの社会保険の加入手続をしますが、法人の場合は従業員全員を保険に加入させる必要がある強制適用事業所になるため社会保険の加入手続をおこないます。 個人事業主がおこなう常時5人以上の従業員を雇用する事業所も強制適用事業所になります。 ただし、農林水産などの一次産業や飲食店などのサービス業、寺社などの宗教業などは非適用業種となり社会保険に加入させることは任意です。 社会保険の加入手続は所定の用紙や方法でおこない、窓口の他郵送や電子申請も可能です。 規則規程、人事制度 就業規則をはじめとして、賃金規程や退職金規程などの規則や規程を管理することも人事の仕事です。 就業規則は会社の規程類の中でも中心的なもので、憲法や法律に基づき会社が守るべき内部規律や事務処理などを定めていて、常時10人以上の労働者を使用する使用者は労働基準監督署に就業規則を届け出る必要があります。 就業規則は規則を使いますが、その他は規程を使います。 人事制度は企業の組織力を高めて業績を上げるために必要なもので、評価教育制度や賃金制度、昇給昇格制度や福利厚生制度など従業員の処遇に関する内容が多くなっています。 健康診断 最近は労働の疲労による心身のストレスが問題となり、過労死などは大きく取り上げられる状況などがあり、健康診断は労働者の健康を守るヘルスケアのひとつとして労務の大切な業務になっています。 とくに、企業検診は労働安全衛生法により実施することが義務づけられております。 企業検診には「 一般健康診断」と「 特殊健康診断」の2種類があります。 一般健康診断は一般的な労働者が受信する健康診断で、特殊健康診断は法令で定められた業務や特定の物質を扱う労働者がおこなう健康診断です。 会社は受診者に診断結果を通知する義務や、健康診断個人票を5年間保管する義務があります。 また診断で身体に異常があった場合は、医師などによる保健指導を実施し健康の維持や回復に努める必要があります。 福利厚生 福利厚生は、企業の経営目標を達成する上で労務管理の一環として大切なものです。 企業などの福利厚生は、法定のものと法定外のものがあります。 法定の福利厚生は法律で事業主や従業員の加入や費用負担を義務づけているもので、社会保険などの制度が中心となります。 具体的には、労働者災害補償保険や雇用保険、健康保険や厚生年金保険などがあります。 法定外福利厚生は、 労働者の職業生活に必要な衣食住や健康の保持増進、生活支援などになります。 具体的には、事業主が費用負担をおこない、従業員に対して法定福利制度の補完をすることや、必要とされる現物給付や現金給付などの施策をおこなうことになります。 労務のトラブルについて 労務の仕事は、基本通りにおこなわれており労使双方の関係が円滑であれば問題は起こりません。 しかし、労使のコミュニケーションが十分ではない場合は、労務問題が起こる可能性があると考えられます。 それぞれの労務の業務に関連するちょっとした行き違いが、大きな問題に発展する可能性があります。 会社の仕事の中でも、労務はどの業務でもトラブルの火種になる要素が多いと思われますが、その中でも特にトラブルが多いと思われる給与、勤怠管理、規則規程の罰則について紹介します。 給与 会社は労働契約を結ぶ際に賃金等の労働条件を書面で明示しなければならないことになっておりますので、入社前と入社後で金額が異なることはないと考えられます。 しかし、実際には入社前の話と入社後の支払額が違うということなどの問題が起こる場合があります。 労働契約は口約束でも有効であり成立しますが、口約束の場合は不明確になる可能性もありますので金額や支払い条件など内容を確認しておく必要があります。 従業員が企業の外部のユニオンなどに相談した場合は、ユニオンが会社に団体交渉を申し込んで会社側と当事者を含むユニオン側との話し合いになるケースもあります。 勤怠管理 勤怠管理は適正な給与の支払いをする上で大切なこともあり、トラブルが多いことも事実です。 欠勤の扱いやタイムカードに関わること、就業時間の遅刻や早退の扱いなど、勤怠管理には色々なトラブルが起こりやすい内容を含んでいます。 欠勤は休暇の権利を取得せずに休むことで、通常は欠勤の日の給料は支払われません。 会社に連絡をせず欠勤することは無断欠勤になり、就業規則などで7日以上無断欠勤をした場合に解雇する旨の定めをしている場合もあります。 一般的に解雇の場合は30日以上前に労働者に解雇予告をします。 労働基準監督署の解雇予告除外認定では14日以上が目安で、14日以上の無断欠勤は懲戒解雇になる可能性があります。 タイムカードは改ざんすると罪になる可能性があります。 遅刻や早退に対して遅刻や早退に相当する分の減額をすることは問題ありませんが、必要以上の減額をすることはできません。 規則規程の罰則 就業規則に定められている事項でも扱いが難しいのは、罰則の扱いです。 罰則は、厳重に注意する罰則から厳重に注意し始末書を提出させる譴責、減給、出勤停止、降格、退職を勧告する諭旨解雇、懲戒解雇となっています。 最も重い罰則が懲戒解雇ですが、違反を繰り返す場合に徐々に処分を重くしていくことに意味があります。 罰則を論理的に適用するためには、就業規則に違反事項を定めておくことも必要です。 そして、従業員への公平性を保つために違反の種類や適用の基準を定めておくことも大事になります。 また、罰則の内容が一般的な法律と整合性があることが重要になります。 問題が発展して法廷闘争になった場合、会社が正当に闘える論拠が必要になるからです。 まとめ 人事部門で労務を担当する場合は、法律的な知識と実践的な経験が必要となります。 とくに、 労働法については判例とともに熟知しておくことが求められます。 その上で、企業の人事全般についての業務を経験しておくことが必要です。 人事だけでなく、営業や経理の実務も労務を担当する場合には効果的です。 営業は人事部門の採用や教育の仕事との共通点があり、採用では営業の経験が他社との競合で役に立ちます。 また営業で対人折衝の経験をしておくことで、教育の仕事をする時にさまざまな職種の人たちと話ができる有利さがあります。 また経理の知識や経験は、給与計算や保険の手続などの業務と共通するものがあるので効果があります。 人事全般の知識と経験を積み、社外の人とのつき合いや研修、講習を受講して、幅広い物の見方や職務遂行能力を保有していることが、労務担当の条件になり得るでしょう。 また、自分の知識や経験だけでなく、顧問弁護士などに依頼する社内の準備やタイミングを調整する能力も必要です。 問題の解決には、法律のプロと社内事情に詳しい労務担当の存在が必須になります。 さらに労務担当には、社長や役員などのトップマネジメントと同じ視点で会社全体のことを考え問題を解決する使命感を持つことが不可欠になります。

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