隊列走行。 物流の未来へ。ソフトバンクの「トラック隊列走行」実用化への挑戦

高速道路におけるトラック隊列走行の後続車無人システム(後続車無人状態)実現に向け、今年度の車両開発を行うとともに、テストコースにおいて実際に後続車無人状態での隊列走行を実施しました。

隊列走行

はじめに 2020年代早期の実用化を目指して,完全自動運転車の取り組みが自動車メーカーやIT企業を中心に進められている。 自動運転はドライバーの認知・判断・操作を制御システムに置き換えるもので,これまでの安全運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance System)とは質的に全く異なり,道路交通システムのパラダイムを変えるものとして,自動車産業界はもとよりサービス事業界や輸送事業界の熱い注目を集めている。 現在,自動車メーカーに加え,Google社やUber社等のIT企業やベンチャー企業が実用化に取り組んでいる他,わが国では,内閣府(戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行)や国土交通省,経済産業省が自動運転の研究開発事業を推進している。 本稿では最近の自動運転車の開発を紹介するとともに実用化に向けた技術開発の取り組みについて紹介する。 表2 各分野の自動運転車 2. 1 短距離移動用の自動運転バス 通称「Last One Mile」と呼ばれる,ハンドルもブレーキペダルもない短距離移動を目的とした小型EVバスがNAVYA社(フランス)やEasyMile社(フランス)から製品化されている。 図にNAVYA社にて実用化された初期段階のラストワンマイル車の自動運転システム構成を示す。 車両の4隅にIBEO社のレーザーレンジファインダー(ライダー)と前後にステレオカメラが搭載されており,周辺360度に存在する障害物を検出できる。 乗客が目的地を設定すると,あらかじめ設定された走行ルートに沿って自動走行を行う。 NAVYA社およびEasyMile社の自動運転バスはすでに実用化されているが,ジュネーブ(スイス)およびウィーン(オーストリア)道路交通国際条約上,公道での走行は承認されていないため,主に施設内等の公道以外の走行空間にて運行されている。 わが国においては千葉県幕張にある大型商業施設内の専用空間内にて,試験運用が行われた。 図1 NAVYA社 自動運転バスシステム構成 2. 2 路線バスにおける自動運転 2. 1 正着制御システム バス停での正着を行うための自動操舵(そうだ)制御システムが,路線バスですでに実用化されている。 図にフランス・ルーアン市内を走行する正着制御機能をもつバスを示す。 このバスにはSiemens社で製品化されたオプティカル・ガイダンスシステムが搭載されており,バス停に近づくと,ドライバーの手動運転からオプティカル・ガイダンスによる自動操舵制御に自動的に切り替わる。 バス停付近の走行路中央には2本の破線状の白線マーカーが敷設されており,バスのフロント部に設置されたカメラ画像によりバスと白線マーカーの横偏差(白線と前輪タイヤ間の距離)を検出して,自動操舵が行われる。 正着距離(バス停縁石端部とバスの乗降扉の離隔距離)は 図に示されるように約5. 0cmである。 これにより介護者なしでも容易に車いすでの乗降が実現されている。 図3 自動運転による正着状況 2. 2 自動運転路線バス Daimler社にてバス専用道を走行できる自動運転路線バスが開発されている。 バスには複数個のカメラが搭載されており,走行路上の白線を認識しながら自動運転される。 また国内の例として,先進モビリティ社が開発中の小型自動運転バス( 図)とそのセンシングシステム構成を 図に示す。 この小型自動運転バスは完全自動運転を目指して開発されており,車両前部には3個の近距離用レーザーレンジファインダー(前方近距離3D Lidar)と1個のレーザーレンジファインダー(前方遠距離Lidar),また側方部,後方部にもレーザーレンジファインダーが搭載されており,周辺360度の障害物認識を行っている。 先進モビリティ社が開発中の小型自動運転バスを用いて,2017年3月20日~4月2日に沖縄南城市の一般公道にて内閣府主催による日本で初めての「公共バス向けの自動運転実証実験」が行われた。 自動運転バスは最高時速35kmで走行し,あらかじめ決められた走行ルートに沿って走行するようハンドルが自動制御されるが,前方の路肩駐車の車両を検出した場合,自動的に車線変更制御される( 図)。 図5 自動運転バスのセンシング構成 2. 3 隊列走行車の開発 2. 1 大型トラック隊列走行開発 車間距離を近接して走行させることにより,走行空気抵抗を低減し燃費向上を実現する,自動運転隊列走行が国内外において開発されている。 わが国では2008~2013年にNEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が15%の省エネ化を目指して,大型トラック3台と小型トラック1台による4台隊列走行システムを開発し,車間距離4mでの走行実験を行っている。 図にNEDOにて開発された隊列走行システムの構成を示す。 隊列走行を実現するうえでの重要技術は,CACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)と呼ばれる車車間通信を用いた車間距離制御技術である。 レーダー等を用いて前方を走行する車両と自車との車間距離を速度に応じた安全な車間距離に保持するACC(Adaptive Cruise Control)は,すでに実用化され多くの車両に搭載されているが,前方車両が急ブレーキをかけた場合の安全性はドライバーに任されている。 車間距離情報だけの制御では,前方車の減速度の発生開始から車間距離に変化が表れるまでには大きな遅れ時間が発生するとともに,自車の減速が発生するまでに遅れがあるため,衝突を防止するには長い車間距離が必要となる。 一方CACCでは,前方車両の速度情報や加速度情報を車車間通信を用いて後続車に伝送し,先頭車の急制動時における車間距離制御性を大幅に向上している。 図にCACCのシステム構成図を示す。 先頭車の速度や加減速度が0. 02秒ごとに後続車に送信され,車間距離を一定にするため後続車の速度は常に先頭車と同じ速度になるよう制御されるとともに,速度制御誤差により発生する車間距離誤差が車間距離センサーからの情報を基に補正される( 図)。 トラック隊列走行システムはNEDOの他,米国カリフォルニア交通研究所のPATHや,ドイツのアーヘン工科大学でも同様な開発が行われた。 図8 ブレーキ実験 2. 2 CACC隊列走行の実用化動向 自動運転レベル1で操舵制御を行わない,CACCのみによる隊列走行の実用化・商用化に向けた動きが欧州および米国にみられる。 欧州では,Daimler社やScania社,VOLVO社など欧州のトラックメーカー6社が参加した,「European Truck Platooning Challenge 2016」と呼ばれるCACC隊列走行実証実験が2015~2016年に実施され,欧州各地から各社がオランダ・アムステルダムに向け,2~3台の隊列走行をする実証実験が行われた。 各トラックの自動運転レベルはレベル1で走行速度や車間距離は通行する国ごとに変化するが,おおよそ時速60kmで車間距離10m程度である。 European Truck Platooning Challengeでは車車間通信として日本のDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式とは異なり,携帯系通信を利用した車車間通信が使用された。 図にScania社の隊列走行車を示す。 この他,同様のプロジェクトとして,「COMPANION(Cooperative dynamic formation of platoons for safe and energy-optimized goods transportation)」と呼ばれる自動運転レベル1のCACC隊列走行実験がScania社を中心に実施されている。 一方米国では,Peloton社がCACC隊列走行による輸送サービスの商用化を目指して開発を行っている。 図にPeloton社のCACC隊列走行車のシステム構成を示す。 このシステムでは欧州の隊列走行と同様,車間距離と速度が自動制御されている。 Peloton社のCACC隊列では車車間通信として5. 9GHzのDSRC方式車車間通信方式が使用されている。 また隊列内の車間距離センサーとして,77GHzのミリ波レーダーが使用されている。 図10 Peloton社CACC隊列走行車システム構成 2. 3 トラック・乗用車混在隊列走行の開発 大型トラックによる隊列走行の他,SARTRE(Safe Road Trains for Environment)と呼ばれるトラックと乗用車混在の隊列走行も,VOLVO社により開発されている。 この隊列走行の特徴は手動運転された先頭の大型トラックを,自動運転のトラックや乗用車が自動追尾するもので,隊列内の車間距離は数m程度に制御される。 自動運転車の操舵は白線認識ではなく,先行車両と自車との横方向のずれをステレオカメラとレーザーレーダーで認識して制御する。 4 乗用車における自動運転開発 日米欧の自動車メーカーが2020年までの自動運転車の実用化を目指し開発を行っている。 乗用車での自動運転車開発はGoogle社が2012年ごろまで先行していたが,現在多くの自動車メーカーで自動運転レベル2あるいはレベル3による高速道路での自動運転の実用化を目指し,研究開発が行われている。 自動運転レベル3以上の自動運転技術動向 3. 1 自動運転レベルと求められる技術 自動運転車の自動運転レベルは国内外の機関にて4段階または5段階に分けられているが,レベル3( 表)以上の自動運転車では走行環境認識をシステム側で行う必要がある。 センシング技術や情報処理技術において技術革新が求められ,日,米,および欧州において技術開発が進められている。 2 自動運転化の重要技術 レベル3以上の自動運転を実現するうえで,現在の運転支援システムでは求められない新しいセンシング技術やインテリジェントな制御技術が必要になる。 特に重要と考えられているのが,車両の走行位置を高精度に検出するローカリゼーション(走行位置標定)技術と,ローカリゼーションを利用した障害物認識技術である。 図に現在研究されているローカリゼーション技術と車線維持制御の動向を示す。 図11 ローカリゼーション技術および車線維持制御 3. 1 ローカリゼーション 運転支援システムでは,車線維持制御にこれまで道路区画白線画像を利用してきたが,雨天や降雪等さまざまな自然環境においても動作することが求められる自動運転において,カメラ画像による白線認識では要求される信頼性を実現するのは困難である。 このため,高精度な測位が可能であるRTK-GPSやレーザーレンジファインダーの点群データから特徴点を抽出して位置検出を行う方法が研究されている。 図にレーザーレンジファインダーの事例を示す。 図はレーザーレンジファインダーをスキャニングしながら道路走行して,走行位置ごとにレンジファインダーから得られた水平・垂直の2次元面ごとに距離情報を図化したもので,これが車の進行位置ごとに地図データとしてあらかじめ記録されている。 この走行位置ごとの2元面の距離データと自車に搭載されたレーザーレンジファインダーのデータを比較して,自車の走行位置を検出する。 図12 レーザーレンジファインダーの点群データ 3. 2 ローカルダイナミックマッピング 公道における非常に複雑なシーンにおいて自動運転を行うには,交通信号や道路標識,電柱,ガードレール等の構造物と道路および道路上の自動車や歩行者,自転車等を区別するとともに,道路上の物体がどの方向に移動しているかを認識することが求められる。 現状,画像センサーやミリ波レーダー,レーザーレンジファインダー等のセンサー単独で複雑な環境認識をすることは困難なため,これらのセンサーを複数用いて認識性能を向上するセンサーフュージョン技術が開発されているが,これらを完全に区別することは困難である。 そこでセンサーによる物体までの距離情報と高度化された道路地図を組み合わせた「ローカルダイナミックマッピング」と呼ばれる距離センサーと地図のフュージョン技術により,この問題を解決する技術が開発されている。 このローカルダイナミックマッピングの概念を 図に示す。 GPSからの位置情報により,電柱や信号機等の道路構造物情報をもつ周辺の詳細道路地図情報が算出される。 同時に車載の3次元レーザーレンジファインダー(3D Lidar)より物体までの3次元距離が検出される。 センサーからの3D距離データと道路地図をリアルタイムに合成することにより,レーザーレンジファインダーにて検出された物体が道路構造物か道路上の物体かどうかが正確に区別される。 図13 ローカルダイナミックマッピングの概念 3. 3 レーザーレンジセンサーの高性能化 上記に示すようにローカルダイナミックマッピングには2次元面における距離データが必要である。 レーザー光を用いた既存のレーザーレンジセンサーでは2次元面の距離を検出するため,レーザー光はポリゴンミラーと呼ばれる回転ミラーを用いて水平方向および垂直方向にスキャニングされるが,垂直方向のスキャニング分解能が粗いため,自動運転用レーザーレンジセンサーでは垂直分解能の高い新しいレーザーレンジセンサーが必要となる。 4 画像認識による障害物認識 自動運転において,レーザーレンジファインダーによる障害物認識が耐環境性に優れている等の理由で主流となっているが,一方で「ディープラーニング」と呼ばれている深層型ニューラルネットによる学習により物体識別を行う研究が進められている。 レーザーレンジファインダーでは点群データ数が少ないため,遠方に存在する物体の形状認識が困難である。 一方カメラ画像はレーザーレンジファインダーと比較し,情報量が100倍以上多いため,物体の形状認識が可能である。 「ディープラーニング」では歩行者や乗用車,トラックやバス,二輪車のパターン等を学習させることにより障害物の種類判別が可能となる。 図は歩行者,乗用車が混在した画像でディープラーニングにて認識した結果を示す。 図に示されるように,歩行者と車両が分離されて認識されている。 また電柱は学習せず,人だけを学習させた場合,人が電柱と並んで立っているシーンでも,ディープラーニングは正確に人間だけを認識する。 このようにディープラーニングは環境条件ではかなりの認識率をもつが,もちろん誤認識や未検出が発生する場合があるため,レーザーレンジファインダーとディープラーニングのフュージョンによる障害物認識の認識率向上が自動運転には求められると思われる。 システムのフェイルセーフ化 4. 1 自動運転の機能安全 自動運転レベル3以上のシステムでは制御システムが故障した場合,危険な状態になる可能性が高いため,極めて信頼性の高いシステムを構築する必要がある。 自動車の機能安全規格としてISO26262にてASIL A~Dが定められており,レベル3以上の自動運転にはASIL Dが求められると考えられる。 このため自動運転には機器の高信頼化のみならず制御装置の冗長化やフェイルセーフ化が必要になると思われる。 2 自動運転のアーキテクチャー 安全運転支援システムはドライバーの全運転タスクの一部を担うものであるため,個々の制御システム規模は比較的小さいものである。 それに対し,自動運転システムはドライバーに代わり全運転タスクのほとんどを担う必要があり,ローカルダイナミックマッピングや目標走行軌跡生成,環境理解や危険判断等の人工知能機能等,高度な情報処理機能が求められる。 また制御的にも,横方向と縦方向制御が絡み合う非常に複雑なシステムである。 したがってすべての入力情報を基に1つのソフトウェアで処理する集中制御方式で自動運転システムを構築した場合,システム変更に対する自由度や,システムの安全性・信頼性の検証が非常に複雑になるとともにバグ発生の要因にもなるなどの問題がある。 したがって,自動運転システムを構成する場合,分散型制御方式が好ましいといえる。 自動運転は認知機能,判断機能,操作機能で構成されることを考えると,自動運転のシステムアーキテクチャーもこの考えで設計されるのが合理的であり,この考えに基づいて筆者により設計された自動運転のシステムアーキテクチャーの一事例を 図に示す。 詳しくは,筆者の前回の記事を参照されたい。 非技術領域における取り組み状況 5. 1 国際的な法制度の動向 自動運転車の開発にはテストコースでの性能や安全性の他,さまざまな走行環境変化に対する評価が必要となり,どうしても公道での走行実験が必要である。 海外では公道での自動運転実験が広く実施されている。 しかし,わが国では最近まで公道での実験が限定されていたが,現在では警察庁の「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」に準じていれば,公道実験が可能な環境となっており,多くの公道実験が行われている。 一方,法令面でも,自動運転の承認に向けた検討がなされている。 具体的には2015年11月12日付のGoogle社から米国DOTへのAIによる自動運転に関する質問状に対して,NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration:米国運輸省道路交通安全局)より2016年2月4日付で,「AIは運転者とみなせる」旨の回答書が出され,完全自動運転の認可に向けた可能性が示された。 またわが国では2017年4月13日に警察庁が「遠隔操作で走る自動運転車について,新たに定めた道路使用許可の審査基準を満たせば公道での実証実験を許可する」ことを発表している。 2 日本における自動運転政策動向 内閣官房において自動運転の実用化に向けたロードマップが策定されている。 図は未来投資会議に提出された自動運転のロードマップを示す。 このロードマップでは2020年に実施する公道での完全自動運転の実証実験に向けて,制度や法令の見直し検討が行われる予定である。 また内閣府においてSIPと呼ばれる官民連携の自動走行開発プロジェクトが進められている。 SIPでは自動走行を実現するために必要となる3次元地図等の基盤技術やART(Advanced Rapid Transit)と呼ばれる次世代バスの技術開発が行われている( 図)。 現在,公道での完全自動運転の実現に向けて,官民の協力体制の下,技術開発や制度の見直しが進められており,2020年での実証実験の成功をステップとして,2020年代での実用化を目指し,今後一層の技術開発の推進が期待されている。 その構成要素であるASIL(Automotive Safety Integrity Level:安全性要求レベル)は,「不具合発生時に,ドライバーや他の道路利用者にどのように影響するか?」というハザードレベルの規定である。 リスクにさらされる確率やドライバーによる制御性,事故発生時の結果の重大性などに基づいてリスクを推定し,ASILを定義している。 ASILレベルにはA,B,C,Dがあり,Dが安全性上最も厳しいレベルである。

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隊列走行

自動車交通分野の省エネルギー対策を追求したNEDOのエネルギーITS推進プロジェクトが今年度で完了、隊列を形成した複数のトラックを操舵制御と速度制御により安全で効率的な走行を可能にする自動運転・隊列走行等の成果を産業技術総合研究所つくばセンター(茨城県つくば市)のテストコースで公開しました。 また、技術の汎用性を向上させ隊列走行の早期実用化につなげるため、車車間通信を用いた車間距離制御と前方障害物認識技術を我が国大型車メーカ4社の大型トラックに適用し、CACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)の実験車4台を製作しました。 大型車・小型車混在で操舵制御と速度(車間)制御を行う自動運転・隊列走行の実験に成功しました。 通常時は道路の白線を認識・基準に走行しますが、分合流部、降雪などの悪天候時などの白線認識不可時は前方車を追従します。 また、衝突回避の自動制御を行います。 具体的な要素技術は下記の通りです。 〔1〕 隊列形成 個々の車両の位置を認識して隊列を形成し管理する技術 〔2〕 車線保持制御 道路端の白線を認識して操舵を制御する技術 〔3〕 車間距離維持制御(車車間通信と車間距離検出によって車間距離を制御する技術) 〔4〕 障害物との衝突回避制御(障害物を検出し、レーンチェンジや非常ブレーキ制御を行う技術) 〔5〕 先頭車追尾制御(分合流部、降雪や悪天候時などの白線認識不可時に先行車を認識し追従する技術)• <期待される効果> 車間距離を短くして隊列走行することにより空気抵抗の低減と、現状の道路幅員を維持したまま交通容量を増大(単位道路距離あたりの走行台数が増加)でき、交通流の円滑化効果が期待されます。 さらに、本プロジェクトで開発した自動操舵システムや車車間通信を用いた車間距離制御システム等は、各種の運転支援システムの高度化にも転用可能であり、高齢化社会における安全で環境に優しいモビリティ確保に貢献します。 <その他> 自動運転・隊列走行技術の実用化・普及に向けたワークショップを2013年2月26(火)13時00分~17時30分につくば国際会議場にて開催、さらに、「エネルギーITS推進事業」全体(自動運転・隊列走行及びCO 2排出量推計)に関する成果報告会を2013年3月12(火)9時50分~17時00分に東京国際交流館プラザ平成にて開催します。 問い合わせ先.

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物流の未来へ。ソフトバンクの「トラック隊列走行」実用化への挑戦

隊列走行

記事の目次• 一般乗用車に比べ重量やサイズが大きいトラックはより高度な自動運転技術が必要なため、実現は乗用車の無人化が確立された後になる見込みだ。 また、トラック独特の無人化技術の開発も進められている。 隊列走行による無人化だ。 協調型車間距離維持支援システム(CACC)などを活用した無人化技術で、条件は限られるが、トラック単体を自動運転技術によって無人化するのに比べ実用化のハードルは低いものとされている。 詳しくは後述する。 2018年12月には、自動運転レベル4の技術を搭載した大型トラックの走行デモンストレーションも実施している。 【参考】UDトラックスの取り組みについては「」も参照。 最上位から2つ目!自動運転レベル4をトラックで達成 UDトラックスが走行デモ — 自動運転ラボ jidountenlab 三菱ふそうや日野は着実にレベル2車両を開発 自動運転レベル2搭載車両を2019年末にも実用化する三菱ふそうトラック・バスは、レベル3を飛び越しレベル4技術の確立を目指す方針で、親会社の独ダイムラーと協調しながら2025年にも高速道路などに限定した完全自動運転トラックを実用化する構えだ。 レベル2技術を搭載した大型EV(電気自動車)トラック「スーパーグレート」は、2018年9月にドイツで開催された国際モーターショーで発表している。 【参考】三菱ふそうトラック・バスの取り組みについては「」も参照。 自動運転の波がついに…レベル2技術を大型電気自動車トラックに搭載 三菱ふそうトラック・バス|自動運転ラボ — 自動運転ラボ jidountenlab 一方、トヨタグループのバス・トラック部門を担う日野は、2018年4月に独フォルクスワーゲン(VW)グループのバス・トラック部門と戦略的協力関係の構築に向けた合意を交わし、自動運転システムなどを含む技術領域で両者の強みを生かせる協力体制の構築を目指すとしている。 海外勢の取り組み:レベル4コンセプトモデル続々発表 米国勢では、自動車大手のフォードの商用車部門が自動運転技術を搭載した電動大型トラックのコンセプト「ビジョン」を2018年9月に発表した。 自動運転レベル4の技術を搭載するほか、電動化、コネクテッド化、軽量化などに関して同社の将来像を表したものという。 米国ではスタートアップの開発も盛んで、2016年創業のEmbark Trucks(エンバーク・トラックス)は2018年2月に、西海岸のロサンゼルスから東海岸のジャクソンビルまでの約3900キロを自動運転トラックで移動するアメリカ横断に成功している。 また、米ライドシェア大手ウーバーの元技術者らが立ち上げたスタートアップIke(アイク)も2018年10月に自動運転トラックの開発プロジェクトを立ち上げている。 このほか、米EV大手のテスラも自動運転技術「エンハンスト・オートパイロット」を搭載したEVセミトレーラートラックを2019年に生産開始すると発表している。 中国勢も無人トラック開発を加速しており、アポロ計画を推し進める百度(バイドゥ)は、蘇寧物流とレベル4の無人トラック「行竜1号」の試験走行を2018年5月に実施している。 また、京東商城は、2017年に上汽大通や東風汽車と共同開発した無人小型トラックを発表している。 スタートアップ勢では、TuSimpleやPony. aiなども開発を進めている。 欧州勢では、独ダイムラーが米ラスベガスで開催されたCES2019のプレビューイベントで、自動運転トラックの実現に向け今後数年間で計5億ユーロ(約620億円)を投資すると発表しており、レベル4以上の技術確立に向け開発を加速していく方針を打ち出している。 スウェーデンのボルボトラックは、自動運転、電化、コネクティビティを組み合わせた運転席のない無人EVトラックのコンセプトカー「Vera(ベラ)」を2018年9月に発表した。 また、同国の運送会社Einrideも無人運転が可能なEV トラック「T-Pod」を発表している。 前走車の加減速情報などをV2Vで受信し、その情報に基づいてADAS(先進運転支援システム)技術によって即座に車両を制御する仕組みだ。 後続車両にドライバーが乗車している有人隊列走行と、後続車両に誰も乗車していない無人隊列走行がある。 一体制御により通常時に比べ車間距離を短く保つことができ、空気抵抗の低減などによる省エネ効果をはじめ、後続車両の無人化による省人化、追突事故の抑制や渋滞軽減効果など安全性や運行効率の向上なども図ることができる。 トラックのみならず、バスの隊列走行の研究も一部で行われているようだ。 隊列走行の実現に向け、協調型車間距離維持支援システム(CACC)などの技術開発が世界各国で進められており、米国では実用化も始まっているようだ。 日本では、未来投資戦略2017で高速道路でのトラック隊列走行を早ければ2022年にも商業化する目標が策定され、実証実験が加速している。 日本では、2021年までにより現実的な後続車有人システムの商業化を目指すほか、無人隊列走行は2022年以降の実現を目指すこととしている。 欧州では、2017年2月に「ENSEMBLE consortium」プロジェクトが開始され、2021年には公道においてさまざまなトラックメーカーの車両が協調する隊列走行システムの公道実証実験実現を目指している。 2019年1月には、新東名高速道路で国内初となる後続車無人システムのトラック隊列走行の公道実証を開始。 CACCシステムのほか、GPSトラッキング制御技術やLiDAR(ライダー)トラッキング制御技術によって先頭車または先行車への追従走行や車線維持、車線変更を行う先行車トラッキングシステム、後続車の後側方のカメラ画像やミリ波レーダーによる検知情報を先頭車に表示し、先頭車が車線変更する際のドライバーの視界を支援する先頭車運転支援システムを活用し、万が一に備えて各車両にドライバーが乗車した状態で、最大3台のトラックが時速70キロメートルで車間距離約10メートルという精密車間距離制御のもと車群を組んで走行した。 先進モビリティ:隊列走行技術を総合的に開発 制御装置の2重化など安全対策も 2014年に設立されたベンチャー企業の先進モビリティも無人隊列走行システムの開発を進めている。 ミリ波レーダーやLiDARによって車間距離を測り、速度を自動調整するCACC車間距離制御(近接車間距離)やACC車間距離制御(割り込み車)、車線変更支援HMIなどの運転操作支援、区画白線をトレースする車線維持制御や先頭車トラッキング制御といったハンドルの自動制御技術の開発などを行っている。 また、隊列内への一般車割り込み防止のための近接車間距離制御や、先頭車急ブレーキ時の隊列内追突防止制御、さまざまな自然環境下での隊列走行制御、制御システム故障時における安全性の確保を主な課題として挙げ、主要制御装置の2重化・3重化やECUのフェールセーフ化などに取り組んでいる。 【参考】先進モビリティの取り組みについては「」も参照。 トヨタ退職後に起業…先進モビリティと豊田通商の自動運転追従トラックとは? さんから — 自動運転ラボ jidountenlab ソフトバンク:5G技術で低遅延通信に成功 ソフトバンクは、第5世代移動通信システム「5G」を利用した隊列走行の実証実験に取り組んでおり、総務省の「高速移動時において1ms(1000分の1秒)の低遅延通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討の請負」において、トラックの隊列走行や車両の遠隔監視、遠隔操作の実証実験を推進している。 2017年12月からは、SBドライブや先進モビリティ、華為技術日本などとの連携のもと茨城県つくば市で実証実験を開始しており、2019年1月に実施した屋外フィールド通信試験で、無線区間の遅延時間が1ms以下となる低遅延通信に世界で初めて成功している。 【参考】ソフトバンクの取り組みについては「」も参照。 通信遅延は1ミリ秒以下…ソフトバンクが成功、自動運転導入したトラック隊列走行の実現に寄与 — 自動運転ラボ jidountenlab 実証実験にはトラックメーカー各社が協力 現在国が進める隊列走行の実証実験には、いすゞ自動車や日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスといったトラックメーカー各社が名を連ね、協力して技術の実証にあたっている。 また、トラック隊列走行の商業化実現に係る官民検討会には、メーカー各社のほか佐川急便株式会社や西濃運輸株式会社、日本通運株式会社、福山通運株式会社、ヤマト運輸株式会社、公益社団法人全日本トラック協会なども参加し、商業化に向けた議論を進めているようだ。 海外の取り組み状況 欧州勢では、独フォルクスワーゲングループのトラック・バス部門MANが2018年6月、隊列走行によって実際に積荷を届ける実証実験に着手している。 また、独ダイムラーも2018年9月、米国の公道で隊列走行試験を行うことを発表している。 米国では、自動運転ソフトウェアの開発などを手掛けるスタートアップ「Peloton Technology(ペロトンテクノロジー)」が技術開発を進めているほか、米アップルが2019年6月、隊列走行で電力共有できる技術「PELOTON」が国特許商標庁に登録されている。 くしくも同じ「Peloton」名だが、これは自転車競技などで走者の一団を指す言葉のため、そこからトラックの一団である隊列走行に結び付けているのかもしれない。 【参考】アップルの取り組みについては「」も参照。 一方、隊列走行においては、国レベルの実証試験は日本も負けておらず、着実に研究開発が進められている。 隊列間への割り込みや渋滞時の合流など、課題は山積している状態だが、隊列走行技術は自動運転技術の応用パターンであり、AI(人工知能)や通信技術などの進展により共に完成度が高まっていくこととなる。 ロボット技術の導入などにより無人化が始まっている物流分野。 近い将来、配送需要の伸びを支える必要不可欠な技術として無人トラックが重宝されることは間違いないだろう。

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